失業保険給付の手続きを手早く済ませるために:離職票発行の仕組みを解説

失業保険の給付を受けようとする場合、
最初に行うのがハローワークに来所しての「求職申込・受給資格決定」の手続きです。
この手続きが遅れるとその分給付のタイミングも遅くなってしまいますので、最速で退職日の翌日には手続きしようと考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし実際には、手続きに必要な書類である「離職票」がすぐには準備できないため、退職日の翌日に手続きすることはほぼ不可能です。

とはいえ、可能な限り最速で手続きは済ませてしまいたいもの。
今回の記事では、離職票発行の仕組みと、可能な限り早期に入手する方法について解説していきます。

ちなみに私の1回目の退職の際は、離職票が郵送されてくるまでに退職日から1ヵ月以上かかりました…。

離職票発行の流れ

まずは離職票が発行される流れを見ていきましょう。

  • 事業主が離職票を作成
  • 本人が内容を確認し、署名欄にサイン
  • 事業主が署名済み離職票をハローワークに提出
  • ハローワークが内容を確認し承認。承認済みの離職票を事業主に返す
  • 事業主が承認済み離職票を本人に送付

基本的に作成作業は事業主が実施し、本人とハローワークがその内容を確認・承認するという流れです。

▼離職票サンプル

離職票-1
離職票-2

時間がかかる理由① 賃金が確定しないと発行できない

では、なぜそんなに時間がかかるのかといいますと、
いちばんの理由は、離職票には直近1年間の賃金を記載しなければならず、最終勤務月の賃金が確定しない限り離職票を作れないため、です。

この時点で、退職日の翌日に離職票を発行することがほぼ不可能なことが分かります。

各社給料精算を行う締め日がありますので、一般的にはその締め日のあと賃金額が確定してから離職票が発行されることになります。
仮に退職日が月末、最後の給料日が翌25日だとすると、締め日は10日くらいでしょうか。
はい、もうこの時点で退職日からずいぶんと経過してしまっていますね…(笑)。

もし小規模の事業者であれば、事前に話を通しておけば(手作業・手計算等で)早めに処理してくれる可能性もあるかもしれません。
逆に、ある程度の規模の事業者の場合はシステムで一括清算を行っているでしょうから、「自分の処理だけ先にやってくれ」と言ってもまず無理でしょう。
賃金額の確定後、速やかに離職票を発行してもらうよう依頼する、くらいしかできることはないと思われます。

時間がかかる理由② 書類の受け渡しが多い

それ以外に時間のかかる要因は、書類の受け渡しの多さです。
事業主・本人・ハローワーク間で書類が行ったり来たりしますので、仮にここを郵送で行ったりするとそれだけでトータル1週間くらいは経過してしまいます。

対策は簡単で、自分で取りに行きましょう。それがいちばん早いです。

私の2回目の退職の際は、(関係が良好だったこともありますが)給料精算日に会社に行き、ハローワークへの提出にも同行したりしてその日中にすべての手続きを終わらせました。

離職票が届かない場合は?

退職者に離職票を発行することは、雇用保険法で定められた事業主の義務です。
本来は黙っていても送られてくるものなのですが、「忘れてるのかなー」「忙しいのかなー」くらいであればまずは事業主に問い合わせてみましょう。
ただし、

  • (倒産等で)そもそも事業者と連絡が着かない
  • (退職の経緯から)直接連絡を取れない

といったケースも想定されます。
ハローワークではそういった事情も考慮して対応してくれますので、該当する場合は一度ハローワークに相談してみてください。

よくあるのは、穏便に退職するための言い訳(嘘)として「次の仕事が決まったから」と会社側に伝えているケースです。

本来はそれでも離職票は発行しないといけないのですが、
実情としては「仕事が決まってるなら離職票は必要ないよねー」とそのまま放置されてしまうこともあります。
つい言ってしまいそうになる気持ちは分かりますが、退職に関する情報は正しく伝えておいたほうがよいでしょう。

また、このあたりの手続きが本当に困難なら、近年は退職代行サービスという便利なものもあります。

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